類鼻疽とは?どんな病気?香港の動物園でサルが死亡

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類鼻疽とは?どんな病気?香港の動物園でサルが死亡した事件に関して詳細を解説していきます。香港の動物園でとんでもない事件が起こっています。サルが連続死していると言うのです。その理由がとても厄介な病気であると言われます。

サルの大量死

サルの大量死が香港の動物園で起こってしまいました。恐らく類鼻疽症と呼ばれる感染症がサルの死因だと言われています。

香港の動物園で、過去1週間で少なくとも11匹のサルが死んだ。当局は、このうち少なくとも9匹は土壌感染が原因だとしている。週末にさらに2匹が死んだが、死因はまだわかっていない。 香港政府文化スポーツ観光局の楊潤雄局長は、類鼻疽症と呼ばれる感染症がサルの死因だと確認した。

香港政府文化スポーツ観光局 楊潤雄局長 「通常、類鼻疽病は汚染された土壌や地表水との接触によって感染するが、ヒトからヒト、または動物からヒトへの感染はない」 サルは5つの別々の檻に収容されていた。死んだサルの種類は、アフリカ原産のブラッザモンキーや南米原産のワタボウシタマリンのほか、シロガオサキ、リスザルなど。解剖の結果、臓器から類鼻疽病を引き起こす細菌が大量に見つかった。

「動物園では10月上旬に土壌掘削作業が行われた。以下の可能性と合わせて、サルが細菌に接触した可能性がある」(楊局長) 当局が最初にサルの連続死を発表した14日以来、動物園の一部は閉鎖されたままとなっている。

引用:YAHOO

死んだサルの種類

死んだサルの種類はブラッザモンキーや南米原産のワタボウシタマリンのほか、シロガオサキ、リスザルです。臓器から類鼻疽病を引き起こす細菌が大量に見つかったというのです。(YAHOO引用)

香港での対応

香港での対応として動物園内での感染拡大を防ぐため、調査と対策を進めているところです。一般的に動物から人への感染は稀であるとされていますが近隣住民などへの感染リスクが高まっているため危険性は高いです。

類鼻疽とは

類鼻疽(るいびそ)は、細菌によって引き起こされる人獣共通感染症の一つで、特に熱帯および亜熱帯地域に多く見られます。この病気の原因となる細菌は、バークホルデリア・シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei)と呼ばれるグラム陰性菌です。類鼻疽は主に、土壌や水中に存在する細菌によって引き起こされ、感染が広がると致命的な結果をもたらすこともあります。類鼻疽は、特に東南アジアや北オーストラリアなどの熱帯地域で見られることが多く、特定の職業や生活環境においてリスクが高くなります。

病原体: バークホルデリア・シュードマレイ

バークホルデリア・シュードマレイは、土壌や水中に自然に存在する環境常在菌です。この細菌は湿った環境を好み、洪水や降雨の多い季節に特に活発になります。主に汚染された水や土壌との接触を通じて人間や動物に感染し、皮膚の傷口から体内に侵入することが多いですが、吸入や摂取による感染も確認されています。

感染経路

類鼻疽の感染経路は主に以下の通りです:

  1. 皮膚からの侵入:土壌や水に触れることが多い農業従事者や建設作業員など、皮膚に傷がある場合に感染するリスクが高まります。
  2. 吸入:汚染された水や土壌から細菌を吸い込むことでも感染します。特に暴風雨や洪水後など、細菌が空気中に舞いやすい環境ではリスクが高くなります。
  3. 摂取:汚染された水を飲むことでも感染する可能性がありますが、これは稀な経路です。

症状

類鼻疽の症状は、感染部位や感染経路によって異なりますが、主に次のようなものがあります:

  • 局所感染:感染が皮膚や皮下組織に限定されている場合、局所的な腫れ、痛み、発熱などが見られます。
  • 肺炎:吸入によって感染が肺に広がった場合、肺炎が発症し、咳、呼吸困難、胸痛、発熱などの症状が現れます。
  • 敗血症:細菌が全身に広がり、血液中に入ると、全身性の敗血症が発症することがあります。この場合、非常に重篤で、命にかかわることがあります。
  • 慢性類鼻疽:感染が慢性化すると、長期間にわたって繰り返し発熱や疲労、関節痛などの症状が続くことがあります。

症状は感染後すぐに現れることもあれば、数週間から数カ月後に現れることもあり、発症時期は人によって異なります。

診断と治療

類鼻疽の診断は、細菌の培養検査や血液検査、画像診断(X線やCTスキャンなど)を通じて行われますが、感染初期の診断は難しい場合が多いです。特に類鼻疽は、他の感染症と症状が類似しているため、誤診されることも少なくありません。

治療としては、長期にわたる抗生物質の投与が必要です。通常、治療にはセフェム系抗生物質カルバペネム系抗生物質が使用され、場合によっては数カ月にわたる治療が必要となります。治療が遅れると、敗血症や多臓器不全などの重篤な合併症を引き起こし、致命的な結果をもたらすこともあるため、早期の診断と治療が重要です。

予防

類鼻疽の予防策としては、次の点が挙げられます:

  • 汚染された土壌や水との接触を避ける
  • 農業や建設作業など、リスクが高い環境で働く場合は、適切な防護具を使用する
  • 皮膚に傷がある場合は、細菌が入るリスクを減らすために清潔を保つ
  • 洪水や降雨後には、特に感染リスクが高まるため、衛生管理を徹底する

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